back 代表理事 相澤英之 のメッセージ
       「地声寸言」
  2016.06.06リリース

第二百四十二回 <北海道五区の衆議補選と熊本地震>
 表題の二つの事象に直接の関連性はない。片や北海道、片や九州熊本である。
 さはさりながら、私は、この二つ全く関連性がなかったと思わない。
 どうしてか。
 私も、こうだという確信はない。しかし、何となくそういう気がするのである。 衆議院議員の選挙を中選挙区から小選挙区に切り換える時に、丁度、私は選挙担当の自民党総務局長をしていた。衆議院で可決された法案が参議院で否決されて、両院協議会が開かれることになった。
 当時は時の流れのように小選挙区制の支持論が自民党内でも高まっていて、中選挙区制支持者は保守派としてののしられるような情勢であった。
 衆議院自民党の意見で最終的な選択がなされる状態で、果してどちらがいいか、河野総裁初め苦悩をしたところであったが、最終的に小選挙区制に踏み切ることになった。
 中選挙区の時代と違って、自民党から複数の候補者が立つことがない代り、どうもその後の選挙結果を見れば感じることだが、時の風向きを強く受ける可能性が高い気がしてならない。
 北海道は町村氏沒後のいわば弔合戦であるにも拘わらず、自民危うしの声が聞かれていたのは、やはり熊本地震前の自民党に対する何とはなしの風当たりの強さが原因だったと思はれる。ひょっとしたら負けるのぢゃないか、と思われていたところ、熊本地震である。こうなると政権を握っている方が何かと力を発揮し易い。果たして、大差とは言えないが自民候補が当選した。
 もし、地震がおこらなかったら、逆転していたかも知れない。もともと北海道は昔から社会党系が強いところであった。石炭と農業の票が多いせいではなかったか。
 ともかく、小選挙区制はこわいところがあって、票が流れ出すと止まらない癖がある。個人同士の戦より、党対党の戦になりがちである。
 
 


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