back 大蔵週報 第1056号(12/28号)の
主なニュース
Home

《 選挙にらみ地方に配慮  −08年度予算の原案内示− 》
 額賀福志郎財務相は20日午前の閣議に2008年度予算の財務省原案を提出、各省庁に内示した。地方交付税(特例交付金などを含む)を07年度当初予算比4・6%増の15兆6136億円とする一方、公共事業の削減などを継続し、一般会計総額を0・2%増の83兆613億円と小幅増にとどめた。
 福田政権による初の予算は、衆院の解散・総選挙をにらんで、地方への配慮を前面に出した。
 新規国債発行額は、0・3%減の25兆3480億円と4年連続で減額。国債依存度は30・5%に小幅改善した。
 ただ、財政健全化の指標である基礎的財政収支は5年ぶりに悪化し、5兆1848億円の赤字。11年度に国と地方を合わせた収支を黒字化する政府目標は、達成へのハードルが高まった。

《 国債発行抑制、残高は微増  −国と地方の借金776兆円− 》
 財務省が20日発表した2008年度の国債発行計画によると、償還に充てる借換債などを含めた発行総額は126兆2900億円で、07年度当初と比べ17兆5480億円減少した。3年連続の減額。08年度末の国債残高は07年度末に比べわずかに増加する。
 国と地方の長期債務残高(08年度末)は、07年度末の772兆円から776兆円に増え、過去最大を更新するが、国内総生産(GDP)に対する比率は2・4ポイント減の147・2%に下がる見通しだ。
 国債発行総額の減額幅は、過去最大だった07年度(21兆6000億円)に次ぐ2番目。発行総額が130兆円を下回るのは2000年度以来、8年ぶり。国債の新規発行を減らしたほか、借換債、財投債がいずれも前年度を大きく下回るため。

《 追加歳出1兆7817億円  −07年度補正予算案− 》
 政府は20日の閣議で、災害対策費など追加歳出を1兆7817億円とする2007年度補正予算案を決めた。税収を9160億円減額修正したが、歳出の節約分や06年度の剰余金の半額などを財源とし、新たな国債は発行しない。
 歳出は、災害対策費として学校耐震化に2424億円を充て、災害復旧に2016億円、緊急防災に2454億円を計上する。
 その他の経費では、社会保障関係で高齢者医療費の負担増を凍結するための関連費用として1719億円を盛り込み、老人医療費も1376億円の増加を見込む。

《 遺産申告漏れ4076億円  −06年度、前年から5%増− 》
 今年6月までの1年間(2006事務年度)に実施した相続税の税務調査で判明した遺産の申告漏れの総額は4076億円(前年度比5・0%増)だったことが17日、国税庁のまとめで分かった。
 このうち海外資産の申告漏れは26億円と前年度の約半分に減ったが、申告漏れ件数は292件と前年度に比べ23・2%増加した。海外の金融機関などを使って資産を隠そうとする傾向が続いていることをうかがわせた。

《 記念硬貨は5百円と千円  −自治法施行60年で発行へ− 》
 財務省は18日、ことし地方自治法が施行から60年を迎えたことを記念して47都道府県別のデザインで発行する記念貨幣に関する有識者会合を開き、500円と1000円の硬貨を発行することで一致した。500円は日本の硬貨としては初めて2色とする。
 2008年から数県ずつ10年かけて発行する。日本が議長国を務める主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)が来年開催されることから、吉野直行座長(慶大教授)は会合後、「(最初の発行は)北海道が最有力だろう」と述べた。

《 金融政策は現状維持  −日銀、景気に不透明感− 》
 日銀は20日、金融政策決定会合を開き、無担保コール翌日物金利の誘導目標を現行の年0・5%程度で据え置くことを、全員一致で決めた。
 海外や国内の景気に不透明感が強まっていることから、当面は低金利政策を続けながら経済情勢を見守る。
 会合では9人の政策委員(総裁、副総裁2人、審議委員6人)が投票。7月の会合から利上げを主張し続けていた水野温氏審議委員も、今回は現状維持に賛成した。
 米サブプライム住宅ローン問題による欧米の金融市場の動揺が続き、12月の企業短期経済観測調査(日銀短観)などでは、国内景気も減速する兆しが出ている。
 このため委員の多くは金融政策を当面変更せず、景気動向を注視する考えを示したとみられる。欧米の中央銀行が市場安定のため資金供給を拡大したことの効果なども検討したもようだ。


大蔵週報についての詳細はここをクリックしてください