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《 「武藤総裁」を参院否決  − 4野党反対、日銀人事は白紙に − 》
 参院は12日の本会議で、次期日銀総裁に武藤敏郎副総裁を昇格させる政府提示の人事案について、民主、共産、社民、国民新など野党の反対多数で否決し、不同意とした。
 福井俊彦総裁の任期満了が19日に迫る中、中央銀行総裁が空席となる可能性もあり、福田康夫首相は「武藤総裁」案を再提示するか、人事案を差し替えるか大きな決断を迫られる。
 2人の副総裁候補のうち、伊藤隆敏東大教授も野党の反対多数で不同意となった。白川方明京大教授は与党や民主党などの賛成多数で同意された。衆院は13日の本会議で3氏全員に同意し、白川氏は副総裁に就任する見通し。

《 与党、野党へ協議要請  − 衆院「武藤総裁」含め同意 − 》
 衆院は13日の本会議で、次期日銀総裁に武藤敏郎副総裁を昇格させ、副総裁に白川方明京大教授と伊藤隆敏東大教授をそれぞれ起用する政府提示の人事案に与党などの賛成多数で同意した。任命に必要な衆参両院の同意を得た白川氏の副総裁起用が確定。与党は、参院で不同意となった武藤、伊藤両氏の再提示や、人事案差し替えを含め事態打開を図るため、政党間協議を正式要請する。

《 外貨準備初の1兆ドル突破  − 2月末、過去最高を更新 − 》
 財務省が7日発表した2月末の外貨準備高は、前月末に比べ119億3700万ドル増の1兆79億8100万ドル(約103兆円)と過去最高を更新し、初めて1兆ドルの大台を突破した。1兆ドルを超えるのは中国に次いで2カ国目となる。
 日本の外貨準備は、円高に歯止めを掛けるため政府・日銀が2003年初めから04年3月にかけ実施した約35兆円の円売りドル買い介入で急増。その後は介入を行っていないが、最近は米国の景気減速により債券相場が上昇し、保有資産の大部分を占める米国債のドル建て評価額が膨らむとともに、金の価格も上昇したため、外貨準備高が増えた。
 世界最大の外貨準備を持つ中国は政府系ファンドをつくり巨額資金を積極的に運用しており、日本でも大台突破を機に、同様のファンド設立構想など運用の多様化を目指す動きが勢いづく可能性がある。

《 経常黒字8・1%増  − 1月、2カ月ぶり拡大 − 》
 財務省が12日発表した1月の国際収支速報によると、海外とのモノ、サービスなどの取引状況を示す経常収支の黒字額は前年同月比8・1%増の1兆2358億円と2カ月ぶりに黒字幅が拡大した。
 海外への投資から受け取る利子・配当など所得収支の黒字が7・8%増の1兆4561億円となり、7カ月連続で前年を上回ったため。
 輸出額から輸入額を差し引いた貿易黒字額は、原油高で輸入額が増えるとともに、米サブプライム住宅ローン問題の影響で米国向け輸出が減ったため、24・1%減の858億円だった。
 輸出額は8・4%増の6兆1182億円、輸入額は9・1%増の6兆324億円。地域別では、輸出入とも米国向けが減少する一方、欧州連合(EU)、アジア向けは増加した。

《 4カ月連続で売り越し  − 外国人による日本株投資 − 》
 財務省が12日発表した2月の対外対内証券投資(指定報告機関ベース)によると、外国人投資家による日本への株式投資は1063億円の売り越しとなった。売り越しは4カ月連続。
 米サブプライム住宅ローン問題の影響で、リスク資産である株への投資に慎重な動きが続いている。ただ、売越額は1月(1兆4579億円)に比べて縮小した。
 外国人投資家による日本の中長期債への投資も5408億円の売り越しだった。

《 新銀行東京、旧経営トップの責任追及へ  − 焦げ付き285億円に − 》
 多額の赤字を抱え、東京都に400億円の追加出資を要請している新銀行東京の津島隆一代表執行役は10日、都庁で記者会見し、不良債権増加は「常識を逸脱した業務運営が要因」とする調査報告書を正式に公表した。
 融資先のうち中小企業を中心に約2300社が破たんし、焦げ付きは285億円。深刻な状況を招いた旧経営陣について、開業当初の仁司泰正代表執行役の「責任が重い」と指摘、責任追及を検討する。


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